WELCOME TO ASHIKAGA 両毛地域でスターにインタビュー
タレント・俳優 山田雅人さん
夢を持つこと、あきらめないこと。
「かたり」で伝えたい。
唯一無二の芸と呼ばれる。それが山田雅人さんの「かたり」。4月2日(日)、あしかがフラワーパークプラザ(足利市民プラザ)で開催された一般社団法人Solaris(ソラリス)の開講30周年記念公演にゲストとして出演。足利で初披露された―。
―足利との縁は?
かたり」には今、127本のレパートリーがあり、すべての作品で現地に足を運び、ゆかりのある場所を訪ねて、取材を重ねています。足利には『相田みつを物語』をつくるにあたって5~6回来ていて、鑁阿寺の近くにあった相田先生の生家、創作活動を支えた『めん割烹 なか川』さん、若き日に包装紙の題字を手がけた「古印最中」の『香雲堂本店』さんなどを取材し、お墓参りもさせていただきました。
―ひとり芝居でも、朗読劇でも、漫談でも、落語でもない、唯一無二の話芸とされる「かたり」が生まれたきっかけは?
もともとは楽屋芸でしたが、放送作家の高田文夫先生から「これを『かたり』という芸にしなさい」と。永六輔さんには「今は模倣芸ばかりだから、君は唯一無二の芸を見つけなさい」と言われました。それが「かたり」です。「その代わり、認められるのは亡くなってからかもしれないよ」と。「僕が生きている間では無理ですか?」と聞いたら、永さんは笑いながら「いいじゃないか、吉田松陰だって亡くなってから認められたんだよ」と言い、年2回の二人会を開催してくださいました。
―「かたり」を通じて、聞く人、とくにSolarisの生徒である子どもたちに伝えたいことは?
やっているのは僕ですが、話しているのは主人公の物語であり、その人生を僕が代わりに話させてもらっている。目を開けていても、聞いているうちに僕の存在が視界から消えて、登場人物の動きが映像として頭に浮かぶことが理想であり成功。夢を持つ大切さ。夢をあきらめないこと。この2点を子どもたちに伝えたい。人生には山もあれば谷もある。「かたり」の主人公が生まれてから現在に至るまで、どうやって夢を抱き、くじけることなく生きて、困難を乗り越えてきたか。無限の可能性を秘めた子どもたちに知ってもらい、心に何か響くものを残せれば、すごくうれしいことです。
―Solarisの活動については、どのように感じていますか?
僕は15歳でギターを弾き始めて、19歳の頃にライブハウスに出るようになりました。芸能活動をするようになったのは、それがきっかけです。気づいた人もいるかもしれませんが「かたり」は歌のリズムになっています。今も音楽をやっていて、この間もマーチンのD45というアコースティックギターを買ってしまいました。音楽をやっていなかったら芸能界に入ることはなく、「かたり」もやっていません。Solarisさんが音楽をやる楽しさを提供されているのは本当に素晴らしいこと。きょうは足利で初めて「かたり」を披露して、子どもたちに親しまれ続けているアンパンマンの原作者『やなせたかし物語』と、日本中を感動させてくれた『WBC物語』を聞いていただきました。ピアニストになりたい、音楽の先生になりたい、といった夢があるのなら、決してあきらめないでほしい。音楽は人生にかけがえのないもので、続けていれば、かならずプラスになります。ですから生涯続けて、音楽を心に生きていってもらえることを願います。
山田雅人さん出演映画
『オレンジ・ランプ』
[監督]三原光尋
[出演]貫地谷しほり、和田正人、
伊嵜充則、山田雅人、
赤間麻里子、赤井英和、
中尾ミエ、他
[配給]ギャガ