THESPA GUNMA LADIES News_2407

2024年6月26日

太田を中心とする東毛地域を拠点に「ザスパ群馬レディース」誕生!GMに女子ソフト金メダリストの三科真澄さんが就任

このたび、女子サッカーのトップカテゴリーを目指す社会人チーム「ザスパ群馬レディース」が太田に設立、東毛地域を拠点に動き出すことになった。その特徴はまちづくりとともに女性アスリートの地位向上を目指した地域で育てるチームづくり。その責務を担うゼネラルマネージャーには元ソフトボール日本代表で北京五輪の金メダリスト、三科真澄さんが就任した。

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みんなで一緒にゼロから作るまちづくりの中にあるチーム

「ザスパ群馬レディース」はザスパのフランチャイズとしてザスパ群馬レディーススポーツクラブ（本社、太田市）が運営会社となり設立された。社長を務めるのは、太田駅北口を中心とした地域活性やスポーツを通したまちづくりなどに尽力してきた須永和昭氏。これまで、ザスパにはユース世代の女子チームしかなかった。今回、女性の地位向上と連携するまちづくりを模索する中で、この案が生まれた。ポイントは球団がチームを作るのではなく、ゼロから地域とともに作り育てること。選手は働きながら普段から地域の人やスポンサーと触れ合い溶け込み、まちづくりの中にチームが存在する。
　当面の目標は来年５月の群馬県女子サッカー2部リーグへの参戦。下部組織も育成しながら10年後のWEリーグ参戦、日本代表や海外で活躍する選手の輩出も目指す。監督には元桐生第一高校の名将の小林勉氏の就任も決定、今後はWEリーグ、なでしこリーグ所属選手を含めて広く所属選手を募集していく。須永社長は「今は安心して選手に来てもらえるよう、運営体制をしっかりとかためていかないと」と話し、日々、スポンサーまわりや選手の就労事業所、練習場など協力者探しに奔走する。

須永社長

三科真澄GMインタビュー

愛し愛されるチームを。　経験を生かし支えてくれる人と選手とのパイプ役に。

　ＧＭに就任したのは元ソフトボール日本代表で北京オリンピックの金メダリストでもある三科真澄氏だ。その精悍でハツラツとしたプレーで日本中を沸かせた姿が印象深い。現役引退後は東京国際大学監督、ビックカメラ高崎コーチなど指導者の道を歩んでいたが、母親の介護などもあり、一線を退き結婚後は太田に在住し子供たちへの指導やイベントなどでソフトボールの普及活動を行っていた。サッカーという未知の分野からのオファーに戸惑いつつも「東京国際大でもゼロからのスタートだった。地域に、愛し愛されるチームを作るというビジョンに賛同し、異種目でも女性アスリートとしてこれまで培ってきた経験を伝えられる」と決断した。世界の頂点を極めた現役時代に重要視していたのは、いろいろな人に支えられて自分がいること。「支えてくれる人がいるからこそ選手はいいパフォーマンスができ、やりがいを感じる。スポンサーや支援してくれる人たちは、自分たちが考える以上にプレーに一喜一憂し熱意を持って支えてくれた」と話し、「そのような思いを選手に伝え、パイプ役として双方の絆を深めることはできる。サッカー以外の、体づくりや女性ならではの悩みの相談役にもなっていきたい。スポンサーさんが望むならソフトボールも教えに行く」と意欲を語った。

「凡事徹底」。多くの人に支えてもらうためにも魅力ある選手に。

　当面の目標は来年5月にリーグ参戦しチームとしてしっかりと始動すること。今はそのための支援者まわりに汗を流す。そして、支えてもうらうためには選手それぞれが個性や役割を探し徹底して「魅力ある選手」になることが大切と話す。「凡事徹底」という言葉が信条だそう。「当たり前のことを当たり前にやるという意味。でも、プラスして当たり前のことを誰にも真似できないくらいに当たり前にやることが重要」と。例えば「ありがとう」ひとつにしても誰よりもいい笑顔で言えば印象は変わるし、「おいしいケーキありがとう」と少し言葉も加えれば人柄もでる。また、五輪金メダル時のメンタルトレーナーに言われた「日本中に感動を与える人間になるには自分も感動できる人間であれ」という言葉から選手には感受性豊かになってほしいと続けた。長く地域に愛されるチームづくりに動き出した三科氏の挑戦、これから楽しみだ。

Profile

三科真澄（みしな・ますみ）
1982年生。神奈川県出身。神奈川県立厚木商業高校→日立高崎・ルネサス　女子ソフトボール部。2004年アテネオリンピック銅メダル、2008年北京オリンピック金メダル。2010年東京国際大学監督就任、2015年全日本大学選手権大会優勝。2018年ビックカメラ高崎コーチ就任（2年間）

【取材協力】株式会社ザスパ群馬レディーススポーツクラブ/太田市東本町23-24 ワープビル

（文・写真　松本純明）