生まれ育った足利市北郷地区に残る民話や伝承を集めてつづった「北の郷物語」をこれまで4巻発刊している同市月谷町の郷土・民俗史家の中島太郎さん(61)が同書の挿絵や同書をベースに作成したマップ、リーフレットなど約25年の活動を紹介する企画展「THE ART OF北の郷物語」が9月9~19日まで、同市相生町の足利市民活動センター(市生涯学習センター内)で開かれた。
民(俗史)話「北の郷物語」は失われつつある郷土の記憶や先祖の知恵を集め、懐かしい郷土の風景を再現するコミュニティアーカイブを目指して2002年5月に第1集を刊行。昨年5月に10年ぶりとなる第4集を出した。各集とも1話220文字で挿絵の付いた物語54話でまとめられている。
企画展では挿絵や紙芝居、マップ「北の郷名店」、北郷地区文化祭のポスター、昨年作成して話題となったマップ「裏・足利魔界紀行」などの実物やラフスケッチなど約100点が展示された。
期間中の13日には同センターの人気行事・読書サロンで中島さんが案内人となり「北の郷物語」の執筆裏話などを紹介。「高齢の方ばかりでなく、若い人からも興味のある話は聞くことができ、今でも新しい情報はたくさんある」などと話を進めた。参加者から「調査の仕方」などについて質問もあり〝中島流〟の手法を伝えていた。
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