足利市昌平町の史跡足利学校で9月18日、伝統行事を次世代に伝えることを目的とした「こども釋奠(せきてん)」が同学校内の大成殿でおごそかに執り行われた。
釋奠は儒学の祖・孔子とその高弟に供え物をしてまつる儀式。「こども釋奠」は再興から100年以上続く釋奠(11月23日開催、同保存委員会主催)の子ども版〟で、子どものころから伝統行事にかかわることで同学校への関心と郷土愛を持って伝統文化を継承していく大切さを知ってもらおうと2014年に始まった。
昨年に続いて今年も祭官の小・中学生や同釋奠を経験した高校・大学生だけで実施。祭官が独特の祭器を使って、米や塩、鯛、野菜、牛肉をささげる供饌(きょうせん)の儀、飲み物をささげる執罇(しっそん)の儀や祝文を朗読する儀式などを堂々とやり遂げた。
祭官全体をリードし儀式を進めるための重要な役割を担う掌事を務めた内山美来さん(山辺中3年)は今回で5度目の参加。「掌事ということで責任があり、緊張しましたがリハーサルよりうまくでき、足利学校をより身近に感じることができました」と話した。今回で祭官は〝卒業〟となるが「機会があれば、また参加し、お手伝いができれば」ともしていた。