10月14日、秋晴れのなか映画やテレビドラマのロケ地として脚光を浴びる「旧足利西高校」が一般公開され、県内外よりの映画ファンで賑わった。170以上の映像作品に使用された教室や体育館、屋上が開放され、カメラ片手にシャッターを切る人たちや、俳優らに差し入れたパンとコーヒーのロケロケセットが販売されるなど、会場内はロケ地散策で溢れていた。
公開に向けては、市内の高校生や会社員などのボランティアが、会場の装飾や映画化されたポスターや写真、台本を展示し、空き教室の再生で活性化をはかる先進的な取り組みを見ることができた。
(余談)
グランドにある錆びついた時計塔
昭和40年代、足利の繊維産業が隆盛を誇っていた頃、市内産業界での若年労働力を確保するため、足利西校は栃木県立では初の昼間二部制の定時制高校として新設された。昼間働いて夜は学校で勉強するなど、当時は全国から注目される画期的な高校だった。女子高校生は、東日本各地より集まり全寮制とバスによる登校が原則で、放課後も部活動もなく、通学時には会社名が書かれた何台ものバスが市内を往来していた。
そして、地元で働く勤労意欲のある女子高を、教育環境の充実で支援するために産業界で一丸となり「西高等学校後援会(事務局、商工会議所)」が設立された。後援会として、グランドに時計塔が無いことから、これを贈呈し利便をはかった。
その後、時代の変遷のなかで、学校は廃校となり後援会の役割は終焉した。いま、錆びついた時計塔は、若い人たちが集まるロケの聖地を見守っている。
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