3月23日早朝から、ぶ厚い雲に覆われた足利の空。音まちプロジェクト委員会委員長の石原祐希さんがステージ上から『ASHIKAGA FES`2024』の開演を告げる。スタート時には雪が舞いはじめ「雪の中のフェス!ロマンチックでめちゃめちゃいいじゃないですか。」と石原さん。昨年荒天のため中止となったフェスが復活、今年こうして幕を開けた。参加バンド13組、そのほとんどが石原さんの呼び掛けで、県の内外から集められた。入場者数はおよそ1,200人。
演奏スタート1時間前、開場直後の入場者の声。足利市在住と東京からの女性二人組は、参加アーティストのSNSで、このフェスのことを知ったという。佐野市から来た、高校1年生軽音楽部の女子二人は、事前に行われた「高校生バンド選手権グランプリバンド 0s 」の後輩。応援に駆けつけたそうだ。他にも同選手権の出場者の姿があり、出場者同士の交流も盛んに行われていた。
ステージでパフォーマンスが始まると、観客は寒さに震えながらも拳を高く振り上げ声援を送る。ステージ上のアーティストのMCは「こんな寒い野外フェスは初めて、しかも雪の中は人生初めて。こんな中で開催する足利はスゲ~」テンションは下がるどころかますます上がる!
足利市出身バンドfusenのステージが始まる頃には雪も雨も上がり「久しぶりに足利に帰ってきて、まちの美しさを感じています。」と歌い出す彼らにファンからも拍手が。
TOSHIMITSUのステージでは会場の盛り上がりも最高潮に。「アクセル全開でブッ飛ばしていこう!」の声にステージ前はグリーンのタオルの渦で埋め尽くされた。
最終バンドnano.RIPEまで、13組のバンドが足利の空に音楽を響かせ、会場に集まった音楽ファンの熱気でまちが包まれた一日となった。
フェスが終盤を迎える頃、会場内に出演アーティストの姿を見つけ一言インタビュー。「足利はロケーションが最高だね。普段だとフェスの会場をあちこち動くことはあまり無いけど、会場を回っていて楽しかったよ。足利の人たちと交流もできてよかった!雪の中のライブは初めての経験だったけど(笑)」
全てのステージが終わり、見上げた空には青空も覗いていた。石原さんに終了直後の感想を伺うと「雪の中のライブもよかったと思っています。いや、雪、みぞれ、雨、曇り、晴れの全天候でしたね(笑)。昨年の中止を経験したことがリハーサルとなり、今回に活かされてよかったです。会場が盛り上がっている様子を見てホッとしました。2回目は1,200人規模よりさらに大きくレベルアップさせ、お客樣に愛されるフェスに育てていけたらと思っています。そしていずれは、足利花火大会と並ぶイベントにしたいです。」
10年前から描いていた「未来」、さらにその先へ思いは続いていく