足利市を生涯の制作の場としたの書家、詩人の相田みつを(1924―91)の生誕100年記念事業が足利市立美術館(通二丁目)や史跡足利学校(昌平町)での企画展を中心に7月13日、開幕した。代表作から隠れた名品までが並んだ同美術館での展示会では同日、長男の相田一人さんによるオープニングトークが行われ、100人を超す来館者が参加し、みつをが生み出した作品をたんのうした。
同館では「生誕100年相田みつを展‐いのちを見つめることば-」をテーマに「にんげんだもの」「しあわせはいつも」「道」や教科書に最も多く採用された「自分の番 いのちのバトン」など相田みつを美術館からの借用や市民所蔵の作品約120点がみつをの初期からの足跡をたどるように展示されている。
オープニングトークで一人さんは代表作のひとつ「うつくしいものを」を前に「きょう記憶にとどめておいていただけるなら、この作品を。これは父の願い」とし、「美しいものを美しいと思える心は不正や醜悪なものを見たとき違うなと思える心のことでもあります。今、読んでもらいたがっているのはこの作品かなと思う」と続けた。来館した60代の女性は「改めて作品に触れ、感動の連続です」と感想を口にした。
史跡足利学校では「相田みつをと足利学校」をテーマに関連資料を展示。みつをが利用したという同校内の遺蹟図書館では市内の店舗や個人蔵のろうけつ染め作品や書をはじめ、昭和のはじめごろ撮影された、みつをが通った市立東小学校や同図書館の写真なども展示されている。
このほか、足利まちなか遊学館(通一丁目)、足利商工会議所友愛会館(通三丁目)やまちなか6店舗でも作品が展示されている。
入場料は美術館では一般1000円、大学・高校生800円、中学生以下無料、足利学校では一般480円、高校生240円、市外の小中学生120円、市内の中学生以下は無料。いずれも9月1日まで。詳しくは足利市役所ホームページの特設サイトで確認を。