足利市葉鹿下町自治会(阿部隆一会長)は11月10日、保有する市重要文化財の葉鹿祇園祭下町屋台の組み立てとその公開を同町の三島神社境内で行った。地域住民や文化財に興味のある人などが集まり、めったに見られない屋台の組み立てを興味深そうに見ていた。
葉鹿祇園祭は葉鹿上、仲、下の3町が持ち回りで実施しているが、新型コロナ禍の影響で下町は6年間、当番町として実施できなかった。来年、当番町となることから「みなで話し合いきちんと組み上がるか確認しよう。地域に残る貴重な文化財なので公開もしようということになった」と阿部会長。
下町屋台は1833年(天保4年)作で彫刻は磯部儀左衛門が手掛けたことが分かっている。全長5㍍、全高4・75㍍、全幅2.83㍍。駐車時には左右に幅1.45㍍の張り出しを取り付けることもできる。
これまでは住民の手で組んできたが、高齢化も進み危険も伴う作業であることから来年から専門職に依頼することとしたことも今回の組み立て実施のひとつの理由で、当日は自治会役員らが保管場所から部品を取り出し、状態を確認しながら組み立てていった。また、足利大学工学部の学生7人もボランティアで参加。学生の一人は「実際に組み立てに携わることでわかることもあり、とても勉強になりました」と話していた。
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