足利市昌平町の史跡足利学校の遺蹟図書館で企画展「足利学校で諸国漫遊Ⅲ~温泉めぐり~」が開かれている。所蔵する9000点の国書の中から箱根、熱海、有馬、伊香保、四万などの温泉が記載された本を展示し、その歴史などに触れ、楽しみながら学んでもらおうという展示だ。
今回は江戸時代後期から明治時代初期にかけて刊行された本を中心に展示。幕末から明治期にかけて活躍し幕末の動乱期には足利を戦火から守った文人画家・田崎草雲(1815~98)は四万温泉や藪塚温泉をたびたび訪れたということで同展では1883年に四万温泉積善館に訪れた際の紀行文「四万温泉絵巻」を展示。食事や入浴の様子がのどかに描かれている。
このほか、同校第10代庠主(校長)寒松の日記の中から伊香保温泉を訪れた際の記述や摂津名所図会(有馬温泉)、紀伊国名所図解(龍神温泉)、七湯夢巡日記(箱根)、東海道名所図会(熱海)などが展示され、江戸時代後期ごろから各地の名所を紹介する本が盛んに出版されていたこともわかる。
9月7日には齋藤和行同学校事務所長によるギャラリートークが行われ、参加者はケースに収まった本を見ながら解説を聞き、温泉めぐりを楽しんでいた。
同展は11月4日まで。参観時間は9月まで午前9時から午後5時、10月からは午後4時半までとなる。期間中10月16日が休館。ギャラリートークは今後、9月28日、10月6、20日の午後2時から予定されている。定員20人程度で先着順、事前申し込み不要。参観料は一般480円、高校生240円、小・中学生120円。問い合わせは同学校事務所(電0284・41・2655)へ。
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