10月27日、足利高校新校舎の竣工に伴い、使用されなくなった足利市本城にある旧校舎のお別れ会が開催され、在学当時を懐かしむ同校のOB等約200人が訪れた。
昭和41年(1966)卒業の川田聡さん、松田眞澄さんは「60年前より桜の木が少なくなった気がする。当時はほぼ木造校舎で、一棟だけ鉄筋の建物だったと思う。プールもできたばかりで、といっても今のプールの前に造られたものだね。懐かしいよね、校舎がなくなったら寂しいね。」と当時の思い出を語ってくれた。
平成15年(2003)卒業の2人は「山岳部の仲間から連絡をもらって今日は参加しました。校舎の色が少し違うけど後は当時と一緒ですね。在学中は教室の耐震工事が行われている時で、体育館で通常の授業も受けた経験があります。夏は暑くて、授業中倒れた先生がいたのを覚えていますよ。たぶん熱中症ですよね。」強烈な暑さが記憶に残っているという。
昭和61年(1986)卒業の3人組は「久しぶりで懐かしいですね。屋上で散髪をしてもらっている生徒がいたよね、確か『バーバー〇〇』とかいって、カットが上手い奴がいたんだよ」「俺は高校2年の時に、太田高校との対抗戦の実行委員長だったんだ」対抗戦が途絶えてしまったことを伝えると「そっかー残念だなぁ」寂しそうな横顔がチラリ。
昭和43年(1968)卒業の6人組は「今日は、東京からと館林からと足利とそれぞれ2人ずつの6人が集まったんだ。当時の思い出は、竹刀を持っている先生がいて、よく叩かれたなぁってこと。ゲンコツも貰ったね。チョークの箱の蓋でゴツンとやられたこともあったな。今じゃ考えられないよね。でもさぁ、優しい先生より痛い思いをした先生の方が思い出に残っているよね。」と笑顔で語る。東大に入った友人も一緒にゴツンとやられていたとか。
それぞれ思い出を胸に校舎をまわっていたようだ。さらに体育館では、20人ほどのOBによるオーケストラの演奏と合唱も行われた。現在京都のヴァイオリン工房に勤務している橋爪さんが、この日に合わせて声をかけたという。「今日ここに集まった方々は、母校愛に溢れた人たちだと思うのです。そんな皆さんのレクイエム(鎮魂歌)になればと企画しました。」とのこと。当初校歌の演奏を一度行って終わるはずが、アンコールの声に応えてもう一度。「あー体育館が喜んでいる!」足利高校で長年音楽の教師をしてきた久保田寿美子さんが、体育館の思いを代弁していた。
今年11月から旧足利高校の管理は県から市に移行している。今後は利活用の方針を検討するにあたり「サウンディング型市場調査」を実施する。サウンディング実施結果の発表は令和7年3月下旬以降となる予定だ。