7月20日(土)から8月4日(日)、.a public (旧足利盲学校・旧相生幼稚園/足利市相生町385) にて、足利の人々の暮らしの記憶を辿る写真展『故郷の記憶を辿る』が開催されている。同市役所・商工会議所・一般市民・商店などから提供された、大正から平成初期の足利市内及び市民の写真を約200点展示。
まず、入り口正面から左手の廊下にはタペストリーが掛けられ、足利全体の移り変わり一目で分かる。
建物左手の展示室では、100年ほど前に松村写真館(足利市)で撮影された写真を元に、生成AIによって蘇った芸者さんが来場者を出迎える。また、同市内で数世代に渡り家業を営む、相洲楼、大黒屋酒店、キムラ美容室、サイクルショップサカイ等の写真とコメントを展示。当時の旧市街地が生き生きと映し出されている。『浅間山から渡良瀬橋の風景』『ヤングヤング大行進』など、当時と現在の風景の比較を楽しんで見るのもいい。さらに、朝日染色株式会社の創業時の型紙などの展示もあり、織物を核に様々な業種が発展した一端を見ることができる。
入り口右手の廊下では、足利市に功績を残した偉人たち5人の肖像とその紹介がされている。また、市街地から離れた、小俣幼児生活団、巖華園、矢場川、長林寺、八木宿など大正から昭和40年代の懐かしい風景と、そこに携わった人のコメントを展示。
ここ『.a public』は足利市に残る近代化遺産の建物の一つ。新たな文化拠点とするべく『ドットエー』プロジェクトとして、アパレル企業『KNITOLOGY』が保存活用を進めている。同プロジェクトリーダーの速水一樹さんは「足利盲学校の歴史を調べたことが、足利の歴史を知るきっかけとなりました。さらに、まだ知られていない近代化遺産等の物件があることを知り、再発信をする必要性を感じました。写真はリアルに当時の様子を語ってくれます。この展示を様々な世代の方に見ていただき、それぞれに新しい発見をしてほしいと思います。」と語る。
次回の同プロジェクトでは、『.a public』にて9月29日に『民芸展』を予定している。
.a (ドットエー)
栃木県足利市相生町385
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