足利市田島町などを拠点に農産物の生産や加工販売などで地域づくりに取り組む一般社団法人結の里(木村克子代表)は今年1月の能登半島地震被災地で廃棄を余儀なくされた輪島塗漆器を預かり、きれいにして販売し、益金を被災地に返す取り組み「輪島塗販売プロジェクト」を開始。8月27日午前11時から同市名草中町の名草ふるさと交流館で開かれるイベントで販売を開始する。
「輪島塗販売」の取り組みは木村さんが所属する東日本大震災被災地支援チームの一般社団法人SAVE IWATE(
寺井良夫理事長)が石川県珠洲市で炊き出し支援やボランティアキャンプの設置・運営を行ってきた際、倒壊した住宅や倉庫などで廃棄を余儀なくされそうになった大量の輪島塗漆器を目撃したことがきっかけ。
寺井さんは「必ず被災地復興に役立てる」とそれぞれの家庭から漆器を譲りうけ、同法人の本部である岩手県盛岡市に運び、きれいにして7月上旬のイベントで販売、好評を得た。
この活動の報告を受けた木村さんは「足利でもぜひ実施したい」と寺井さんに打診。7月27日、寺井理事長らの輸送で珠洲市から結の里の活動拠点である囲う場(田島町農産物加工所)に概ね5セットが入った木箱40箱が運び込まれた。
漆器は31日から結の里メンバーや子どもたちを含めたボランティアの手で一つずつ水洗い、拭き上げなどの作業を受け、美しさを取り戻した。「益金は地域のアイデンティティであるまつりの復活などに使っていただく予定。みなさんのご協力を」と木村さんは呼び掛けている。27日のイベントは午後4時まで行われる。
目次