〜 辰年に飛び出す『漢字』の “感じ” 〜
「新年なので、皆さんに今年の“龍”の字を書いた色紙をご用意しました。」
2024年2月初旬、僕は台北にて今年2回目のお正月を迎えました。
というのも、日本のお正月は1月ですが中華圏では旧暦のお正月、所謂『旧正月』がメインの正月。ちょうど、欧米ではニューイヤーよりもクリスマスがメインにお祝いされるのと似ているかもしれません。中華圏でもこの旧正月がメインの新年として盛大に祝われます。
旧正月がいつになるかは旧暦に即して毎年日程が変わります。早い年だと1月中に新年を迎えるのですが、2024年の今年は2月9日がこちらの大晦日で、約1週間の連休となりました。僕がこれまで経験した旧正月でいうと、北京、台湾、シンガポール、ソウルと複数の国を跨いでおり、寧ろ海の外に一歩出るとアジア諸国の中で太陽暦のお正月を祝うのは日本だけのような印象です。
国によってもお祝いの仕方に少しずつ特徴があったりして、シンガポールでは幸運の印として訪問する先々に“みかん”を2つ持っていってそこの家の“みかん”2つと交換したり、台湾では日本の大晦日と同じ様に台湾現地の新年歌番組である“紅白”が放送されています。勿論『紅包』という紅い封筒に入れた“お年玉”の文化もあります。
旧正月の連休が間近に迫り、台湾でも日本でいう忘年会の様な集まりが徐々に増えてくるのですが、今年も僕は親い方々の食事会に呼んで頂いて参加してきました。
冒頭の一言は、その食事会の席での一幕です。
習字をライフワークにしている友人がおり、皆んなに今年の『龍』の字をしたためてプレゼントしてくれたのです。
そんな中、とても面白い説明がありました。
漢字という文字は元々人間が眼で見た対象を模して表され、その後時代の経過を経て今の形に至っている、という一説があります。「人」や「木」などとても分かりやすいですね。しかしながら、今年の干支である「龍」という漢字。「竜」という漢字が先に生まれたという説もありますが、そもそも、人間はこの眼で「龍」見たことがあるのでしょうか?見た事がないのであれば、本当の所どんな形の文字をしたためようが、それはある意味で正しいのです。わははは。
こう話を聞くと、学校での漢字テストの意義について社会が荒れそうですね。(荒れないか。)とはいえ、今の時代に新しく出てきたモノやコトに対して、自分で新しく漢字を発明してみるのも面白いかも知れませんね。
何かと個人のヒョンな事が拡散される時代。もしかしたらあなたの発明漢字が将来『広辞苑』に収録されるかも知れません。
もし「これは!」という漢字を思いついた読者の方、僕のプロフィール欄にあるメールアドレスまで是非送って下さい。沢山来たら、コンテストにして最優秀賞を次回発表します。受賞された方には、この習字をしている友人と何か直筆でのプレゼントを考えて海外から日本へ発送しますので。グッドラック。