ジェラート
ジェラテリアとはイタリア語でアイスクリーム屋のこと。不思議なことに現地では夏冬関係なくいつも賑わっている。今年の2月に行ったときも、コートを羽織ったイタリア人たちが屋外でジェラートを頬張ってた。底冷えする石畳の上なのに相変わらずだな、と改めて感心した。
お店に入ったら、まずカップかコーンか決める。私はこぼしたくないので、カップ派。そして15種類以上のフレーバーが並べられたガラスケースから食べたい味を注文する。迷っている暇はない。2、3種類を一緒に盛ってくれるので、あらかじめ決めておかないと慌てる。チョコレートだけでもミルクやダークの他にヌテラやバーチなどのチョコレート商品を再現したものまで数種類ある。選んだものを店員がスクープで丁寧に練ってから盛りつけてくれる。練ることは必須でジェラートに空気を含ませ、より美味しくする。
イタリアではジェラートを自宅で作る人も少なくない。化学的に作られた香料や調味料を使わないので安心だとか。原料は牛乳、生クリーム、コンデンスミルク、砂糖、卵あたりが基本で、好みによって味付けを変える。作りかたはシンプルだが、とにかく手間がかかる。何度も練って、練って、また練って、を繰り返す。そうやって作られた自家製ジェラートの混ざりけのない味は、さっぱりとして飽きがこない。暑い日に日本でもぜひ作って食べていただきたい。
塩見 奈々江
しおみ ななえ/1983年東京都渋谷区生まれ。幼児期をイタリア、イギリスで過ごし大学進学でフィレンツェに渡り10年間暮らす。 現在は足利市の里山と東京の2拠点で暮らしながら、展示会やネットなどでヨーロッパの古道具を扱うBAGATTOを営む。
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