足利市昌平町の史跡足利学校で9月23日、伝統行事を次世代に伝えることを目的とした「こども釋奠(せきてん)」が同学校内の大成殿でおごそかに執り行われた。
釋奠は儒学の祖・孔子とその高弟に供え物をしてまつる儀式。「こども釋奠」は再興から100年以上続く釋奠(11月23日開催、同保存委員会主催)の〝子ども版〟で、子どものころから伝統行事にかかわることで同学校への関心と郷土愛を持って伝統文化を継承していく大切さを知ってもらおうと2014年に始まった。
今年も祭官の小・中学生や同釋奠を経験した高校・大学生が務める執事補だけで実施。祭官が独特の祭器を使って、米や塩、鯛、野菜、牛肉をささげる供饌(きょうせん)の儀、飲み物をささげる執罇(しっそん)の儀や祝文を朗読する儀式などを堂々とやり遂げた。
今年で6回目の参加となり祭官全体をリードし儀式を進めるための重要な役割を担う掌事を務めた澤田愛梨さん(白鷗大足利中3年)は「緊張はありましたが練習やこれまでの経験が生かせて、今日はうまくできたのではないかと思います」とほっとした表情。「来年以降は執事補として参加していきたいです」と話していた。
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